結婚

歴史上でもいくつかの婚姻の無効をめぐる有名なケースがしられている。たとえば15世紀のフランス王ルイ12世は、ルイ11世の娘ジャンヌと結婚していたが、シャルル8世が男系後継者なしで死亡したことで王位に就いた。ルイ12世はブルターニュ公領を望み、シャルル8世の妻であったフランス王妃アンヌ(ブルターニュ公領相続人)と結婚するため、ジャンヌとの婚姻の無効を申請している。この許可を得るため、時のローマ教皇アレクサンデル6世に多くの好条件を申し出た。(たとえば教皇の庶子チェーザレ・ボルジャにヴァランス公位を授け、フランス王族と婚姻させること、さらにローマの守備隊を提供するなど)。このような贈賄により望みどおり婚姻の無効の認定を得ることに成功している。 また イングランドのヘンリー8世は生涯6度結婚したが、そのうち4度の結婚について婚姻が無効であったとした。最初の王妃キャサリン・オブ・アラゴンについては、「ヘンリー8世の兄アーサーの妻であったため、自分との結婚は重婚にあたる」として婚姻の無効を時のローマ教皇クレメンス7世に申請した。しかしキャサリンの甥にあたる神聖ローマ皇帝カール5世の横槍が入ったため認められなかった。怒ったヘンリー8世はローマ教皇と絶縁し、その後英国国教会が成立する端緒となった。こうしてローマ教皇庁の干渉を廃し、英国の教会を意のままに動かせるようになったことで、ヘンリー8世は教会にしか認められない婚姻の無効の認定を自由に受けられるようになった。以後、アン・ブーリン(後に処刑)、キャサリン・ハワード(後に処刑)、アン・オブ・クレーヴズについてそれぞれ婚姻の無効を理由に離婚・再婚を繰り返した。
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